大谷選手はどの選手よりも判定に苦しんでいる
【MLB】大谷翔平への“誤審22連発” 米データ分析会社「どの選手よりも判定に苦しむ」
8/22(日) 8:05配信
米データ分析会社「間違いなく外角に外れている」両リーグ最速で40本塁打に到達し、本塁打王に突き進むエンゼルスの大谷翔平投手。向かう所敵なしの状況だが、思わぬ“被害”にも見舞われている。外角に外れたボール球をストライクと判定されるケースは1度や2度ではない。多数のメジャーリーガーや米記者から支持されるデータ分析会社「Codify Baseball」では、疑惑のストライク判定22連発の動画を公開。ファンからは「これは酷い」「選球眼いいやん 全部ストライク判定やけど」と同情の声も上がっている。
同社がツイッターで公開した動画は、大谷がボールと見極めながらもストライクとなった“誤審疑惑”が22球分繋げられている。投稿では「高過ぎず、低過ぎず、内角過ぎず。しかし間違いなく外角に外れている」と強調。その上で「ショウヘイ・オオタニが今季のMLBで、他のどの選手よりもこうしたストライク判定に苦しむことが多くなかった場合を想像してほしい」と綴っている。
20日(日本時間21日)の敵地でのインディアンス戦でも、同様のシーンが生まれた。5回2死二塁の第3打席で、大谷はカウント3-1から外角に来た球を自信を持って見逃して一塁に歩こうとしたが、判定はストライク。結局、フルカウントから空振り三振に倒れた。
動画を見たファンも“誤審”には賛同。「ショウヘイ・オオタニはMLBで酷い(ストライク/ボール)判定をなかなか受けている」「全部外に外れてる球をストライクとコールされてる」「大谷選手の打席でこういう場面多すぎんか」などとコメントが寄せられた。相手投手も際どいコースを攻めてくる中、“判定との戦い”もポイントになってくるかもしれない。
Full-Count編集部
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/8756757977b8813e1ea429bd59da9cd659cfda7a
引用文によると,大谷選手は他のどの選手よりもボール球をストライクと判定される被害に見舞われているとのことです.ベースボール・サバントでは,審判の判定と,実際のストライク,ボールの判定の数を確認できるようになっているので,大谷選手と本塁打王のタイトルを争ったブラディミール・ゲレロ・ジュニア選手,サルバドール・ペレス選手と誤審率について比較します.
ボールをストライクと判定されるケース
大谷翔平 ストライク 誤審率(%) 2018-2021 | |||
---|---|---|---|
年度 | ストライクと判定 | ボールをストライクと判定 | 誤審率 |
2018 | 235 | 36 | 15.32 |
2019 | 232 | 39 | 16.81 |
2020 | 128 | 17 | 13.28 |
2021 | 373 | 67 | 17.96 |
計 | 968 | 159 | 16.43 |
※引用元:ベースボール・サバント,Pitch Result: called strike,Gameday Zones: Pitchs Out of Zone ※誤審率は小数点第三位を四捨五入 |
ブラディミール・ゲレロ・ジュニア ストライク 誤審率(%) 2018-2021 | |||
---|---|---|---|
年度 | ストライクと判定 | ボールをストライクと判定 | 誤審率 |
2019 | 295 | 63 | 21.36 |
2020 | 122 | 28 | 22.95 |
2021 | 317 | 57 | 17.98 |
計 | 734 | 148 | 20.16 |
※引用元:ベースボール・サバント,Pitch Result: called strike,Gameday Zones: Pitchs Out of Zone ※誤審率は小数点第三位を四捨五入 |
サルバドール・ペレス ストライク 誤審率(%) 2018-2021 | |||
---|---|---|---|
年度 | ストライクと判定 | ボールをストライクと判定 | 誤審率 |
2018 | 238 | 26 | 10.92 |
2020 | 58 | 9 | 15.52 |
2021 | 223 | 31 | 13.90 |
計 | 519 | 66 | 12.72 |
※引用元:ベースボール・サバント,Pitch Result: called strike,Gameday Zones: Pitchs Out of Zone ※誤審率は小数点第三位を四捨五入 |
MLB ストライク 誤審率(%) 2018-2021 | |||
---|---|---|---|
年度 | ストライクと判定 | ボールをストライクと判定 | 誤審率 |
2018 | 121517 | 18974 | 15.61 |
2019 | 120337 | 19318 | 16.05 |
2020 | 44320 | 7001 | 15.80 |
2021 | 116618 | 17476 | 14.99 |
計 | 402792 | 62769 | 15.58 |
※引用元:ベースボール・サバント,Pitch Result: called strike,Gameday Zones: Pitchs Out of Zone ※誤審率は小数点第三位を四捨五入 |
ストライク 誤審率(%) 2018-2021 | |||||
---|---|---|---|---|---|
選手 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 計 |
大谷翔平 | 15.32 | 16.81 | 13.28 | 17.96 | 16.43 |
ブラディミール・ゲレーロ・ジュニア | * | 21.36 | 22.95 | 17.98 | 20.16 |
サルバドール・ペレス | 10.92 | * | 15.52 | 13.90 | 12.72 |
MLB | 15.61 | 16.05 | 15.80 | 14.99 | 15.58 |
*:出場なし |
MLB(2018-2021)でのボールをストライクと判定された誤審率を比較すると,ゲレーロ・ジュニア選手が最も高く(平均20.16%),続いて大谷選手(平均16.43%),MLB(平均15.58%)ペレス選手(平均12.72%)の順となっています.
大谷選手の誤審率(平均16.43%)はMLB(平均15.58%)を少し上回っていますが,ゲレーロ・ジュニア選手の誤審率(平均20.16%)よりもかなり低く,引用文に書かれているような「他のどの選手よりも,ボール球をストライクと判定される“被害”に見舞われている」という事実は確認できません.
ストライクをボールと判定されるケース
大谷翔平 ボール 誤審率(%) 2018-2021 | |||
---|---|---|---|
年度 | ボールと判定 | ストライクをボールと判定 | 誤審率 |
2018 | 549 | 41 | 7.47 |
2019 | 620 | 27 | 4.35 |
2020 | 280 | 21 | 7.50 |
2021 | 1028 | 33 | 3.21 |
計 | 2477 | 122 | 4.93 |
※引用元:ベースボール・サバント,Pitch Result: ball,ball in dirt,Gameday Zones: Pitchs in Zone ※誤審率は小数点第三位を四捨五入 |
ブラディミール・ゲレロ・ジュニア ボール 誤審率(%) 2018-2021 | |||
---|---|---|---|
年度 | ボールと判定 | ストライクをボールと判定 | 誤審率 |
2019 | 759 | 42 | 5.53 |
2020 | 349 | 17 | 4.87 |
2021 | 999 | 46 | 4.60 |
計 | 2107 | 105 | 4.98 |
※引用元:ベースボール・サバント,Pitch Result: called strike,Gameday Zones: Pitchs in Zone ※誤審率は小数点第三位を四捨五入 |
サルバドール・ペレス ボール 誤審率(%) 2018-2021 | |||
---|---|---|---|
年度 | ボールと判定 | ストライクをボールと判定 | 誤審率 |
2018 | 579 | 17 | 2.94 |
2020 | 172 | 1 | 0.58 |
2021 | 748 | 23 | 3.07 |
計 | 1499 | 41 | 2.74 |
※引用元:ベースボール・サバント,Pitch Result: called strike,Gameday Zones: Pitchs in Zone ※誤審率は小数点第三位を四捨五入 |
MLB ボール 誤審率(%) 2018-2021 | |||
---|---|---|---|
年度 | ボールと判定 | ストライクをボールと判定 | 誤審率 |
2018 | 259517 | 14421 | 5.56 |
2019 | 263655 | 12844 | 4.87 |
2020 | 96809 | 4597 | 4.75 |
2021 | 254236 | 11625 | 4.57 |
計 | 874217 | 43487 | 4.97 |
※引用元:ベースボール・サバント,Pitch Result: called strike,Gameday Zones: Pitchs in Zone ※誤審率は小数点第三位を四捨五入 |
ボール 誤審率(%) 2018-2021 | |||||
---|---|---|---|---|---|
選手 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 計 |
大谷翔平 | 7.47 | 4.35 | 7.50 | 3.21 | 4.93 |
ブラディミール・ゲレーロ・ジュニア | * | 5.53 | 4.87 | 4.60 | 4.98 |
サルバドール・ペレス | 2.94 | * | 0.58 | 3.07 | 2.74 |
MLB | 5.56 | 4.87 | 4.75 | 4.57 | 4.97 |
*:出場なし |
MLB(2018-2021)でのストライクをボールと判定された誤審率を比較すると,大谷選手(平均4.93%),ゲレーロ・ジュニア選手(平均4.98%)はMLB(平均4.97%)とほぼ変わらず,ペレス選手(平均2.74%)だけが低い値になっています.
ストライクをボールと判定された場合,打者は恩恵を受けることになりますが,大谷選手(平均4.93%)の誤審率はMLB(平均4.97%)とほぼ同じであるため,「ストライク球をボールと判定される“恩恵”が他のどの選手よりも少ない」という事実は確認できません.
メディアはストライクがボールと判定される恩恵には一切触れず(選手も),ボールがストライクに判定されると,他のどの選手よりも大谷選手だけが誤審の被害に見舞われていると認識するようです.