ウエイトトレーニングを一切しなかったケン・グリフィー・ジュニア選手-「打撃のカギ」はラバーバンド効果

ブリーチャーレポートとワシントンポストの記事

 ブリーチャーレポート(スポーツとスポーツ文化に焦点を当てたウェブサイト,Wikipediaより引用)の記事からウエイトトレーニングについて書かれた箇所を引用します.

Ken Griffey Jr. Was the Best of His Generation

Sometimes God just makes other people a little more special, and Ken Griffey Jr. was one of those people. I don’t think he ever had to work hard at the game. He didn’t lift weights. As far as I know, he didn’t watch tape of pitchers. He just went out, hit, and fielded.

引用元:https://bleacherreport.com/articles/400876-ken-griffey-jr-was-the-best-of-his-generation

 ”He didn’t lift weights.”は,「彼はウエイトトレーニングをしなかった」と訳すことができます.また,”he didn’t watch tape of pitchers.”とあるので,相手投手のビデオテープも見ずに対戦していたようです.グリフィー選手は,ウエイトトレーニングもせず,ビデオを見ることもなく,簡単に成績を残すことができた神様が少しばかり特別なものを与えた選手だったといえます.

 次に,ワシントンポストの記事からウエイトトレーニングについて書かれた箇所を引用します.

With a 99.3 percent consensus, Griffey earns a deserved trip to Cooperstown

I don’t lift weights. Never have,” Griffey said back in 1998, a year after he had hit 56 home runs and was named MVP. “I probably can’t bench press 200 pounds. The barrel of my bat is probably bigger than my biceps. Flexibility is the key. It’s the rubber band effect. Pull them suckers way back.”

Then the 6-foot-3, 195-pound Griffey would play golf with Tiger Woods in his prime and against Michael Jordan and, sometimes, outdrive both of them.

引用元:https://www.washingtonpost.com/sports/nationals/with-a-993-percent-consensus-griffey-earns-a-deserved-trip-to-cooperstown/2016/01/06/18baeb72-b4b0-11e5-9388-466021d971de_story.html

 “I don’t lift weights. Never have,”は「私はウエイトトレーニングをしなかった.今までも一度もしたことがない」と訳すことができます.この引用はブリーチャーレポートの引用とは違い,56本塁打を記録し,MVPを受賞した1997年の翌年のグリフィー選手自身のことばを引用したものです.他にも「おそらくベンチプレスで200ポンド(約90.7㎏)を上げることができない」,「上腕二頭筋よりもバットの直径のほうが大きい」とあります.

 しかし,6フィート3インチ(約190.5㎝),195ポンド(約88.5㎏)のグリフィー選手は,全盛期のタイガー・ウッズ,マイケル・ジョーダンとラウンドしたときには,ときどき彼らをオーバードライブしていたとのことです.

ラバーバンド効果(rubber band effect

 グリフィー選手の引用の中で,ベンチプレスが上げられず,腕が細いにもかかわらず,なぜ打てるのかということについて,グリフィー選手は引用の中で,「柔軟性(弾力性)が重要で,rubber band effect(ラバーバンド効果)がカギになる.ラバーバンドをずっと後ろに引かなければならない」と発言しています.

 野球選手にボディビルダーの筋力は必要か-特異性の原則 で述べたように,打撃動作の中で,ベンチプレスのようにじわーっと力を発揮する位相はないので,ウエイトトレーニングは必要ないともいえますが,筋力トレーニングを一切おこなわなかったグリフィー選手は,そのことを証明してくれています.

デッドリフト225㎏を上げる大谷翔平
特異性の原則 から外れたウエイトトレーニングをおこなう大谷選手
動画のような過度の負荷をかけてじわーっと力を発揮する動作は,野球の打撃動作の中に含まれていない
デッドリフト225㎏を上げる大谷翔平 引用元:https://www.youtube.com/watch?v=2BHj8t6Ml5Q

 筋力トレーニングをしなければ飛距離が伸びないと思っている選手は,ウエイトトレーニングをする前に一度,動作の改善ができないかどうかを確認することも必要かと思われます.下にグリフィー選手の全盛期のホームランの動画を載せますので,なぜここまで飛距離を出せるのか,グリップの位置,フライングエルボーから肘を先行させているか,肩を回してバットのタメを作っているか,インパクト後,両腕を伸ばしているか,「人」の形で打っているか,ステップや体重移動はどのようになっているか,スナップ動作をおこなっているか,チェックしていただければと思います.

Ken Griffey Jr. Home Run Compilation, 1996-2000
Ken Griffey Jr. Home Run Compilation, 1996-2000
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=KQ5m_hfTzM8&t=260s