トミー・ジョン手術とは

トミー・ジョン手術とは

 まず、トミー・ジョン手術とはどういうものなのかということですが、 ウィキペディアでは次のように説明されています。

 トミー・ジョン手術(英: Tommy John Surgery, 側副靱帯再建術)は、肘の靱帯断裂に対する手術術式。1974年にフランク・ジョーブによって考案され、初めてこの手術を受けた投手トミー・ジョンにちなんでこう呼ばれている。投球の際にひじの側副靭帯に大きな負担がかかる野球の投手が受けることの多い手術である。野球以外ではやり投など投擲系の競技者も受けることがある。

引用元: ウィキペディア

 この説明では詳しいことがわからないため、次にKOMPASの野球肘についての記載を引用します。野球肘は、内側型野球肘、外側型野球肘、後方型野球肘の3つに分類され、トミー・ジョン手術では内側型野球肘が該当します。

内側型野球肘
投球動作では、加速期に腕が前方に振り出される際に肘に強い外反ストレス(肘を外側に広げようとする力)が働き、さらにその後のボールリリースからフォロースルー期には手首が背屈(手の甲側に曲がること)から掌屈(手のひら側に曲がること)に、前腕は回内(内側に捻ること)するため、屈筋(手や指を手のひら側に曲げる筋肉)・回内筋(前腕を内側に捻る作用を有する筋肉)の付着部である上腕骨内側上顆(肘の内側にある骨性の隆起)に牽引力が働きます。この動作の繰り返しにより、内側側副靭帯損傷、回内・屈筋群筋筋膜炎(肘内側に付着する筋腱の炎症)、内側上顆骨端核障害(内側の成長線の障害)などが起こります。

引用元: KOMPAS

 引用文をまとめると、以下のようになります。
①加速期に外反ストレスが働く → 内側側副靭帯損傷
②リリースからフォロースルー期に手首が背屈から掌屈になり、前腕が回内するため、 屈筋・回内筋の付着部である上腕骨内側上顆に牽引力が働く →  回内・屈筋群筋筋膜炎、内側上顆骨端核障害  

  トミー・ジョン手術では、①が該当し、捕手に正対してから腕を振ってリリースするまでの加速期に、 外反ストレスが働くことにより内側側副靭帯が損傷することがわかります。

投球動作の期分け
投球動作の期分け 引用元:松田整形外科記念病院

肘関節内側側副靭帯損傷

  同じくKOMPASから内側側副靭帯損傷についての記載を引用します。

内側側副靭帯損傷
前述の投球動作の繰り返しにより、肘の外反を制御する内側側副靭帯が障害され発症します。スキーでの転倒のような、1回の外力で靱帯が完全に断裂する場合と異なり、野球肘では繰り返す牽引により靱帯が「伸びた」状態になっていることがほとんどです。これは、靱帯の小さな断裂の繰り返しや変性(靭帯組織の劣化)によるもので、劣化したゴムに例えられます。投球歴の長いプレーヤーに多く発症します。

【症状】
投球時の肘関節内側痛が主な症状です。とくに、テークバックからの加速期に痛みが起こります。日常動作では無症状のことがほとんどですが、重症例では日常動作で肘の不安定感(ぐらつく感じ)、痛みを訴えるケースもあります。また、頻度は低いですが、不安定性により肘の内側を走行する尺骨神経が障害され、手の小指側(尺側)にしびれや感覚障害が生じることもあります。  

引用元: KOMPAS

 トミー・ジョン手術は損傷した肘関節内側側副靱帯を再建する手術のことで、 靭帯の損傷は投球動作の加速期(捕手正対時からリリースまで)に働く外反ストレスの繰り返しによって引き起こされます。