好成績の要因は対左バッターとの成績
ダルビッシュ有、好成績の要因は対左バッターとの成績
シカゴ・カブスのダルビッシュ有は、今季メジャー前半戦で最も大きなインパクトを残した選手の1人であると断定しても、恐らくそんなに多くの反対意見は出ないだろう。昨季後半に見せた圧倒的なパフォーマンスを今季前半もそっくりそのまま再現させた右腕は、目下6連勝とマウンドに上がるごとに、支配的な投球でチームを勝利に導いている。
そんな中、地元紙『シカゴ・トレビューン』は現地31日付で電子版に掲載した、レッズとのシリーズを振り返る記事の中で、同シリーズの重要な論点の1つとして、ダルビッシュの左打者に対する成績をピックアップした。
記事では「ユウ・ダルビッシュは左打者のパワーを封じている」と見出しをつけ、その中で「今季ダルビッシュは左打者に対し、96打席で打率.208と、そのダメージを限定しており、左打者に許した長打は4本のみであり、長打率も.281に抑えている」。
その上で、「昨季、左打者が彼を相手に打率.243、長打率.465としたことを考えると、これはドラマチックな改善である」とした。
さらに記事では、「昨季ダルビッシュが左打者に許した25本の長打のうち、19本が本塁打だった」と前置きした上で、「今季、彼が左打者に許した本塁打は、8月13日にミルウォーキー・ブルワーズのジャスティン・スモークが打った1本のみである」と、左打者に対する被本塁打も劇的に減少したことについて触れた。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/63fb135acffa9fb42ed8b5fc6ae1b4667e72b8a1
対左打者 球種別被打率-2019年と2020年との比較
記事によると, 左打者のパワーを封じていることが今季の好調の原因であるとしています.2019年と2020年で左打者に対する球種と被打率がどのように変化しているのかみてみます.2020年のデータは9/5までのものです.
球種 | 2019 割合% 対左打者 | 2019 被打率 対左打者 | 2020 割合% 対左打者 | 2020 被打率 対左打者 |
カッター | 42.0 | 0.248 | 46.0 | 0.245 |
4シーム | 19.2 | 0.350 | 8.4 | 0.308 |
スライダー | 13.3 | 0.296 | 16.1 | 0.154 |
2シーム | 10.0 | 0.250 | ——- | ——- |
カーブ | 7.0 | 0.136 | 4.7 | 0.000 |
SFF | 4.9 | 0.105 | 5.2 | 0.111 |
ナックルカーブ | 2.7 | 0.095 | 9.5 | 0.182 |
チェンジアップ | 0.7 | 0.000 | ——- | 0.000 |
スローボール | 0.1 | 0.000 | ——- | 0.000 |
シンカー | ——- | 0.000 | 10.1 | 0.000 |
全投球の被打率 対左打者 | ——- | 0.243 | ——- | 0.193 |
2019年と2020年を比較すると,対右打者の被打率は,0.181から0.211に上がり,対左打者の被打率は,0.243から0.193に下がっています. 被打率を下げている球種は,①4シーム(0.350 → 0.308),② スライダー (0.296 → 0.154)に特定されます.カッターの被打率(0.248 → 0.245)は,ほぼ変わっていません.①については,今季は4シームの平均球速が上がっており,球威が増していることが考えられます.②については,スライダーにキレがでていると考えるよりも,4シームの球威が増したため,スライダーが活きていると考えるのが適当です.ストレートあっての変化球ということになります.

引用元:https://baseballsavant.mlb.com/statcast_search