2019年MLBの球種別被打率
スプリットフィンガー・ファストボール(SFF)を打てない理由 で打者が対応できない理由を説明しました.実際にどのくらい打たれていないのかを確認するため,2019年MLBレギュラーシーズンの球種ごとの被打率を調べました.
球種 | 投球数 | 投球数 リーグ全体 | 割合% | 打席 | 安打 | 打率 |
ナックル | 151 | 732,473 | 0.0 | 34 | 13 | 0.382 |
フォーク | 36 | 732,473 | 0.0 | 9 | 3 | 0.333 |
シンカー | 55,737 | 732,473 | 7.6 | 13,291 | 3,935 | 0.296 |
2シーム | 61,361 | 732,473 | 8.4 | 14,872 | 4,388 | 0.295 |
4シーム | 263,237 | 732,473 | 35.9 | 547,443 | 14,596 | 0.267 |
カット | 46,786 | 732,473 | 6.4 | 10,988 | 2,804 | 0.255 |
チェンジアップ | 80,376 | 732,473 | 11.0 | 20,589 | 4,831 | 0.235 |
カーブ | 63,341 | 732,473 | 8.7 | 123,523 | 3,092 | 0.229 |
スライダー | 128,709 | 732,473 | 17.6 | 30,847 | 6,687 | 0.217 |
ナックルカーブ | 16,328 | 732,473 | 2.2 | 3,703 | 784 | 0.212 |
SFF | 10,588 | 732,473 | 1.4 | 2,713 | 539 | 0.199 |
スローボール | 50 | 732,473 | 0.0 | 18 | 2 | 0.111 |
※割合%は小数点第一位まで.検索結果が出なかった球種は掲載していません.
リーグ全体で732,473の投球があり,SFFは僅か1.4%を占めています.フォークボールは球速が遅く打たれる可能性があるためかほぼ投げられておらず,球速の速いSFFにシフトしているようです.きれいな球筋の4シームは,不規則な変化をする2シームの約5倍投げられており,被打率は4シームのほうが低くなっています.予想どおりSFFが最も打たれていません(打席数の少ないスローボール は除外)が,SFFと同じく腕の振りがストレートと同じになるスライダーも被打率は低くなっています.SFFよりも高くなっているのは,縦の変化より横の変化のほうがまだ打者が対応可能であることを示しています.