秋山選手の球種別打率 2020 対右投手-96mphの球速に振り遅れないコンタクト・ヒッター

 秋山選手のMLB1年目は,54試合に出場し,打率.245,0本塁打,9打点,7盗塁という成績でした.

速球系(Fastballs:4シーム,2シーム,カッター,シンカー)

秋山翔吾 球種別打率 2020 対右投手 速球系
対右投手球種投球割合 %打席安打打率
速球系4シーム41.34814.292
カッター3.240.000
シンカー17.9214.190
全球種62.47318.247
引用元:ベースボール・サバント

 秋山選手の速球系の打率は.247ですが,4シームは.292と少し打率が高くなっています.動画をみると95mph以上の速球にも対応できているようです.

球種:4シーム 球速:96.2mph 引用元:ベースボール・サバント

埼玉西武ライオンズ 秋山翔吾 バッティングフォーム&バッティング スローモーション(右中間へのホームラン)
埼玉西武ライオンズ 秋山翔吾 バッティングフォーム&バッティング スローモーション(右中間へのホームラン)
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=StymileNkZk

 秋山選手はバックスイングで足を上げた後,いったん体を静止して,足でタイミングをとってからステップしています.これだけ足を上げている時間が長いにもかかわらず,96mphの球速に振り遅れることなくスイングできています.筒香選手のほうがまだ足を上げている時間は短いと思われますが,筒香選手は速球系を打てず,秋山選手は対応できているようです.
 なぜこのような違いが起こるのかというと,スイングのスタイルが関係しています.筒香選手が長距離打者でフルスイングするのに対して,秋山選手はどちらかというと当てるタイプの打者で,当ててから腕を伸ばしてプッシュ・スイングをおこなっています.筒香選手は前脚を突っ張らせて前方移動にブレーキをかける特殊な打法のため,タイミングのとり方が難しくなっていると思われます.当然ですが,当てるタイプの打者のほうが速球に対応しやすくなります.

 この動画をみてもわかるように,秋山選手はバリー・ボンズ選手のような グリップを上下させるバックスイング もおこなっていませんし,「人」の形で打つこともおこなっていません.2017-2019年に3年連続で20本以上の本塁打を記録していますが,当てる要素が大きい打者と見受けられます.

空手になっていない. 
「人」の形になっていない.
インパクト後,体幹の後傾がみられず,すぐに前脚が曲がっているので,下肢のエネルギーをとり込む第二動作はおこなわれていない.

スロー系(Offspeed:SFF,チェンジアップ,フォークボール,スクリューボール)

秋山翔吾 球種別打率 2020 対右投手 スロー系
対右投手球種投球割合 %打席安打打率
スロー系SFF0.420.000
チェンジアップ11.7195.263
全球種12.1215.238
引用元:ベースボール・サバント
SFF=スプリットフィンガー・ファストボール

 秋山選手のタイミングのとり方であれば,遅いボールにも対応できるはずですが,チェンジアップをあまり打てていないようです.

変化系(Breaking:スライダー,カーブ,ナックルカーブ,スローカーブ,ナックル,スローボール )

秋山翔吾 球種別打率 2020 対右投手 変化系
対右投手球種投球割合 %打席安打打率
変化系スライダー13.0194.211
カーブ9.5176.353
ナックルカーブ2.941.250
スローカーブ0.10.000
全球種25.54011.275
引用元:ベースボール・サバント
※データなしのため,確認できず.

 筒香選手と同様にカーブは3割以上打っています.チェンジアップもまったく打てていないわけではないので,徐々に遅いボールにも対応できる可能性はあると思われます.

大谷,筒香,秋山選手のなかで,MLBで最も活躍できる選手は誰か

 3選手の動作を確認したところでは,秋山選手が一番活躍できる可能性が大きいと考えられます.MLBで長距離砲として活躍するには,本サイトで紹介している「科学する野球」が提唱する動作のポイントを満たしている必要がありますが,そのような選手がNPBになかなか見当たりません.まず「人」の形で打てている選手がいません.大谷選手は「人」の形で打てていますが, グリップの位置ゴルフスイング がネックになっています.
 もし,秋山選手が長打を捨てて,単打を打つことに専念するということなら, 「科学する野球」の条件を満たしていなくても,活躍できる余地があります. いわゆる当てるタイプの打者の方が通用する可能性があるということです.「科学する野球」 は,野球の基本である「できるだけ速いボールを投げる,できるだけ遠くにボールを飛ばす」という暗黙の了解に則って書かれた野球技術書です.特に長打は必要ないということなら,単打だけに徹するという選択肢もあります.残念ながら現状では日本人選手は長距離,中距離ヒッターではMLBで目立った成績を残すことは難しいと思われます.
 秋山選手の球種別打率2020対左投手のデータは打席数が少ないため,割愛します.