粘着物質の使用を否定.オレはロジンしか使っていない.
マリナーズ救援サンティアゴが退場処分、粘着物質摘発1号も使用否定
[2021年6月28日8時59分]
<ホワイトソックス-マリナーズ>◇27日(日本時間28日)◇ギャランティード・レイト・フィールドMLBで取り締まりが強化された投球時の粘着物質の不正使用で、初の摘発者が出た。マリナーズの救援左腕ヘクター・サンティアゴ(33)がホワイトソックスとのダブルヘッダー第1戦で、退場処分を受けた。
サンティアゴは2番手で3回途中から登板し、3イニング目となった5回、同点とされなお1死満塁を招いて降板。ベンチに引き揚げる際に球審から確認を受け、グラブに粘着物質らしい付着が見つかったため、退場宣告された。規定により、10日の出場停止処分も受ける。
MLBは21日から取り締まり強化を始め、先発投手は複数回、救援投手は降板後に帽子、グラブ、ベルトの確認を受けることが義務づけられた。サンティアゴのグラブは今後、詳細な調査のためMLB機構のあるニューヨークに送られる。
サンティアゴは試合後、粘着物質の使用を否定。「オレはロジンしか使っていない。科学班に調べてもらえば、汗とロジン(の跡)しか見つからないはずだ」と潔白を主張。この日は湿度が85~90%と高かったため、したたり落ちる汗の影響を防止するため、ロジンをたっぷりグラブに塗り、そのためにグラブがベトベトしていたという。
サンティアゴはメジャー在籍10年のベテラン。今季からマリナーズに移籍し、今季は9試合で1勝1敗、防御率2・65。メジャー通算は265試合で48勝51敗、防御率4・12。
引用元:https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/202106280000142.html
サンチアゴ投手のスピンレート(平均回転数)の推移
シャーザー投手 スピンレート(平均回転数)の推移 2015-2020 4シーム | ||||||
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年度 | 勝利 | 敗戦 | 防御率 | 平均球速 mph | 平均回転数 | |
RPM | 順位 | |||||
2015 | 9 | 9 | 3.59 | —– | —– | —– |
2016 | 13 | 10 | 4.70 | —– | —– | —– |
2017 | 4 | 8 | 5.63 | 89.2 | 2149 | 504 |
2018 | 6 | 3 | 4.41 | 90.8 | 2123 | 579 |
2019 | 1 | 1 | 6.68 | 91.8 | 2117 | 628 |
※2015,2016年は4シームの投球なし. ※2020年はメジャーでの登板はなし. ※mph=miles per hour,マイル毎時. ※RPM=revolutions per minute,または,rotations per minute,1分の間での回転数. 引用元:ベースボール・サバント |
ウィキペディアによると,サンチアゴ投手は,全盛期には最高球速97.4mph(約157km/h)のボールを投げていたようですが,スタットキャストが導入された2015年以降は,4シームの平均球速は90mph前後まで落ちています.2015,2016年の球種はシンカーが6割以上を占め,4シームの投球はありません.2017年から,シンカー(59.6%)の次に4シーム(5.1%)を投げるようになり,2018,2019年では,4シームの割合(66.5%,59.4%)が最も大きくなっています.

サンチアゴ投手は粘着物質を使用していたのか
サンティアゴ投手 スピンレート(平均回転数)の推移 2021 4シーム | ||
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登板日 | 平均球速 mph | 平均回転数 RPM |
6/1 | 91.7 | 2114 |
6/4 | 90.0 | 2076 |
6/8 | 89.2 | 2125 |
6/10 | 89.5 | 2035 |
6/11 | 91.3 | 2070 |
6/16 | 90.2 | 1991 |
6/17 | 91.1 | 2033 |
6/23 | 91.0 | 2017 |
6/26 | 91.6 | 2089 |
7/2 | 91.7 | 1954 |
7/6 | 91.2 | 1963 |
7/11 | 89.7 | 1994 |
7/27 | 91.5 | 2054 |
※赤字は粘着物質摘発で退場処分となった登板以降のスピンレート. ※mph=miles per hour,マイル毎時. ※RPM=revolutions per minute,または,rotations per minute,1分の間での回転数. 引用元:ベースボール・サバント |
サンチアゴ投手が粘着物質摘発で退場処分となった6/26の登板では,スピンレートが2089でしたが,次回の登板から3試合連続でスピンレートが1000台に低下しています.しかし,7/27の登板では2054と2000台に戻っています.摘発された次の登板で粘着物質を使用することは考えにくいという理由から,6/26と7/2を比較すると,低下率は,2089-1954/2089=135/2089となり,小数点第四位を四捨五入すると0.065になります.サンチアゴ投手は粘着物質の使用を否定していますが,6.5%の回転数の低下が認められるので,粘着物質の不正使用があったと考えて間違いないと思われます.