投手の腕の振りは4つのタイプに分類される-タイプ4(水平)

レイ・ブラック

Ray Black 99.5 mph Slow Motion Mound Mechanics 
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=5iAGuKaVfnk
上腕の振りが体にあたって止められ,前腕がベルトのあたりまで入っている.


ソニー・グレイ

Sonny Gray Slow Motion Pitching Mechanics
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=FihBqiVExWU
背中にタッチするまで前腕が入っている.


山口高志

江川卓・山口高志 ストレートの比較
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=MM6dsxvsz78
肩から下ろした垂線と上腕との角度が90度以上になっている.


大谷翔平

北海道日本ハムファイターズ 大谷翔平 投球フォーム(スローモーション)
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=OJUjrC_vc1M
上腕の振りが体にあたって止められ,前腕がベルトのあたりまで入っている.2018年の4シームのスピン・レート(平均回転数)は,2164(RPM)で,ランキングは521位.水平にボールを切る腕の振りでは,真上から真下にボールを切ることができないので,腕を前方に押し出すようにスピンをかけなければならない.
※RPM=revolutions per minute,または,rotations per minute,1分の間での回転数.


ジェイコブ・デグロム

Jacob deGrom Mechanics, side view
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=vt9orXQrWG8
2018年の4シームのスピン・レート(平均回転数)は,2362(RPM)で,ランキングは163位.
※RPM=revolutions per minute,または,rotations per minute,1分の間での回転数.
以下ウィキペディアより引用.2018年は32試合先発、217.0イニング、防御率1.70、269奪三振のキャリアハイの成績を挙げ、最優秀防御率のタイトルを獲得。勝ち星には恵まれず、10勝9敗に終わったが、サイ・ヤング賞を受賞。10勝でのサイ・ヤング賞受賞は先発として史上最少の勝利数であった.


前田健太

マエケンスーパースローその2.
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=KbvdRfBVX98
肩から下ろした垂線と上腕との角度が,ほぼ90度になっている.


千賀滉大

スロー映像)ソフトバンク 千賀滉大 投球フォーム 2017.10.6
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=Mfy7dRhZuYY
肩から下ろした垂線と上腕との角度が,ほぼ90度になっている.


佐々木朗希

佐々木朗希投手に憧れる人へ。投球フォームを研究してもらえたらうれしいです。【2019侍ジャパン 高校代表vs大学代表】
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=ctBI0M0Aiw4
上腕の振りが体に当たって止められ,前腕がベルトのあたりまで入っている.


水平にボールを切る腕の振り

 大谷翔平選手のように,リリース後,前腕が体幹,腰のグラブ側に入る投手も多くみられます.この投げ方は “投手の腕の振りは4つに分類される” で述べた「垂直にボールを切る腕の振り」とは対照的に,「水平にボールを切る腕の振り」になります.水平にボールを切るとは,前方に腕を押し出すようにボールを切る投げ方で,ボールを指先に乗せる時間を長くして,腕が前方に伸びるときに指先で押し出すようにボールに回転をかけます.

水平にボールを切る腕の振り

  • リリース後,腕が体の背面側に入る.
  • ①肩から下ろした垂線と上腕との角度が90°以上になる,②上腕が体にあたって止まる場合は,肩から下ろした垂線と前腕との角度が90°以上になる.
  • 投手のステップ幅や,リリース後,上体を倒すかどうかによって,腕が入る位置が変わってくる.上体を倒すと肩から下ろした垂線と上腕との角度が90°以上になりやすいが,上体を倒さない投手では,上腕が体に当たって止められるため,上腕の運動エネルギーが前腕に伝達され前腕が体幹,腰のグラブ側に入りやすくなる.
  • 腕を押し出すようにボールを水平に切る.
  • ボールを水平に切るとは,正確には「ボールを切る直前の手関節の付け根の位置を含む水平な平面(水平面と平行)に沿って,腕を振る方向にボールを切る」(以後,水平に・水平な平面でボールを切る)という表現に近くなる.
  • ボールを水平に切るとは感覚的な表現であり,実際に水平な平面でボールを切るということではない.
  • 垂直にボールを切らないため,スピンがかかりにくくなると考えられる.
  • リリースポイントが体から離れ,前方になる.
  • リリースポイントが体から離れると,腕の振り幅が大きくなるため,球速が出やすいと考えられる.

金子公宥(1994):スポーツ・バイオメカニクス入門,p.22,からだの軸と断面 図29