スプリットフィンガー・ファストボール(SFF)を打てない理由

スプリットフィンガー・ファストボールとは

 フォークボールと似た握りから投じられ、より速い球速で小さく落ちる変化球はスプリットフィンガー・ファストボール(英: split-finger fastball)と呼ばれる。頭文字をとってSFFと省略されることが多く、日本ではスプリット、高速フォークとも呼ばれる。

  流体力学者の姫野龍太郎はリリースから捕手のミットへ届くまでに約10回転するものをフォーク、約20回転するものをSFFと分類している。「フォークボールの神様」の異名を持つ杉下茂は、フォークをナックルボール系の無回転の球種であるとし、無回転のものが真のフォークで近年の一般的な日本人投手が投げるフォークの多くはSFFであると語っている。

引用元: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%
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左:フォークボール,右:SFF(スプリット)
引用元: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3
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打者はホームベースの2m手前でボールを見失っている

 バッティングの練習ではコーチからよく「ボールから目を離すな」と言われる。ピッチャーが投じたボールをあの細いバットで正確にはじき返すためには、ボールから目が離れると精度が落ちるからだ。

  しかし、科学的検証から「ボールから全く目を離さないことは不可能で、実際にはホームベースの約2m手前でボールを見失っている」(同氏)という。人間が眼球と頭を動かしてボールを追うときのスピード(1秒当たりの角度)は毎秒200°が肉体的な限界であるのに対し、例えば時速160kmのボールを追い続けるには毎秒1000°のスピードが必要という。打者のスローモーション映像でボールをインパクトの瞬間まで見ているように見えても、実際には「見ていない」のだという。

 加えて、打者は非常に短時間の間に、打つかどうかの判断をし、スイングをしてバットに当てるという複雑な作業をしている。通常、ピッチャーが投げたボールがホームベースに到達するまでには0.45秒かかる。一方、打者はボールを「打つ」と決めた場合、脳から筋肉への指令に0.1秒、バットスイングに0.16秒、つまりスイングの決定からインパクトまでに合計0.26秒の時間を要する。

  打撃という“作業”自体が複雑なうえ、約2m手前でボールは見えなくなる――。では、なぜプロの打者は高速かつ激しく変化するピッチャーのボールを打てるのか。それは、練習という経験で積み重ねた予測があるからだ。「予測プログラムによって人間の動きの限界を補っている」(神事氏)。

引用元:https://xtech.nikkei.com/dm/atcl/feature/15/110200006/120200054/?ST=nxt_thmdm_mono

 国学院大学人間開発学部健康体育学科 助教の神事努氏 によると,ボールを追うスピードに限界があるため,打者はホームベースの約2m手前でボールを見失っているとのことです.つまり,打者は投手が投げる時点で ,投球動作からどのような軌道でボールが来るのかを予測して打っていることになります.

 打者は投手が投げる時点で ボールの軌道を予測しなければなりませんが,SFF( スプリットフィンガー・ファストボール )は腕の振りがストレートと全く同じであるため,打者はストレートの軌道を予測します.球速が遅ければ,途中でボールになると判断して判断してバットを止めることができるかもしれませんが,SFF は人先指と中指の間が狭く球速もストレートに近いため,修正がきかずバットを振ってしまうことになります.

 他の変化球では腕の振りも球速も遅くなるため,対応できる余地が残されていますが, SFFのようにストレートと同じ腕の振りで球速もあるということになると,最初からSFF とわかっていない限り対処のしようがありません.見方によってはずるい球種ともいえます.SFF を投げる時点で,すでに打者よりも優位に立っていることになります.