大谷選手の屈曲回内筋群損傷の原因

古島弘三医師による見解

 前腕の回内に作用する筋は,円回内筋,方形回内筋,橈側手根屈筋があり,円回内筋と方形回内筋は前腕の回内に作用し,円回内筋と橈側手根屈筋は肘関節をまたぐため,肘関節の屈曲にも補助的に作用します.
引用元:https://www.styleb.co.jp/seminar/note/forearm-pronator-muscle/

引用元:https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2020/08/05/gazo/20200804s00001007460000p.html

 「筋肉はグッと力を入れると縮んで膨らみます。上腕二頭筋の力こぶが分かりやすい例ですね。筋肉は力を入れたときに引っ張られる動作が加わると損傷したりします。投球動作の中でフォロースルーでは自然と腕は回内していきます。この時に屈曲回内筋群も補助として働きます。しかし、スライダーなどのボールを投げる時には、ボールに回転を加えるため、フォロースルーで自然に前腕が回内すべきところに逆の回外動作が入ります。この時、屈曲回内筋群に強い負担がかかる。今回はその繰り返しで負担が強くかかったのだと思います」と述べられています.

引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/c87ebbd97fe49d60bc576e07c6ca3aeafd2a6685

 約700例のトミー・ジョン手術を執刀した慶友整形外科の古島弘三医師によると, スライダーを投げるときは前腕を回外(外側に捻る)しなければならないので,フォロースルー後の前腕の回内(内側に捻る)に負荷がかかるという説明になっています.確かにカーブを投げる場合でも,フォロースルー後に前腕と手が回内することは事実ですが,大谷選手の投球動作にも一因があると考えられます.大谷選手はフォロースルー後にグラブ側の脇の下まで前腕が入ります.この動作を行えば前腕と手は回内されるため,球種にかかわらず常にフォロースルー後の回内が強制的に行われることになります.


2018年もスライダーを多投している

引用元:https://baseballsavant.mlb.com/statcast_search

 2018年の球種の内訳はスライダーが24.6%と多めとなっていましたが,今回のような屈曲回内筋群損傷は起こっていません.球速も80mphを少し上回る程度で過度の負荷がかかるとは考えにくいところもあります.損傷の原因がよくわからないというのが正直な感想です.

引用元:https://baseballsavant.mlb.com/statcast_search