空手打法
空手打法とは「科学する野球 (打撃篇) 」(1985)の著者村上豊氏によって提唱された打撃動作の一つです.空手打法の内容について説明します.

まず,上図のようにバットの中にトンカチが入っていることを想像してください.バットでボールを打つ動作をトンカチで釘を打つ動作に置き換えて考えます.

トップ・ハンドで手の平で釘を打つようにトンカチを握る(左図)のと,空手チョップをするようにトンカチを握る(右図)のとでは,どちらが釘を強く打つことができるでしょうか.

当然,空手のほうが釘を強く打つことができますから,ボールを 強く打つためには空手でバットを握ることが必要になります.

そのため,トップ・ハンドは手首を手の平の方に曲げて,バット を巻きむように握るフック・グリップとなります.

ボトム・ハンドで手の平で釘を打つようにトンカチを握る(左図)のと,空手チョップをするようにトンカチを握る(右図)のとでは,どちらが釘を強く打つことが できるでしょうか.

当然,空手のほうが釘を強く打つことができますから,ボールを 強く打つためには空手でバットを握ることが必要になります.

そのため,ボトム・ハンドは手首を手の甲の方に曲げるフック・グリップとなります.

つまり,空手打法で打つと,イラストのようにインパクトで両手が空手になります.また,フック・グリップで構えるため,写真のように後ろ肘が横に張り出し,フライング・エルボーになります.


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村上豊氏の指摘どおり,MLBの一流選手が空手打法を行っていることが確認できます.


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ハンク・アーロン,ブライス・ハーパーといった強打者でも,ボトム・ハンドのフック・グリップが不十分になる傾向があります.ボールを打つ力はトップ・ハンドのほうが強いので,トップ・ハンドは必ず空手にしておく必要があります.




日本人打者でも,パワーヒッターは空手打法を行っていることを確認できます.ボールを強く打つためには必須の打法になります.
空手打法を行うには,フック・グリップで構る必要があります.インパクトの空手を保持したまま構えると,フック・グリップとなり,後ろ肘がフライング・エルボーになります.