グリップの重要性-グリップの位置でバットのタメとスイングスピードが決まる

グリップの位置はどうやって決まるのか?

野球サイトからの引用

 今回の記事はかなり重要な内容になります.グリップの位置を正しい位置にできるかどうかで,バッティングのパフォーマンスに大きな差が出てきます

 まず,他のサイトではグリップの位置についてどのような説明がなされているのかを見てみます.

「野球上達のコツ!バッティング初心者の上達のコツ ピッチング上達のコツ!」からの引用

自分のバッティングに合ったグリップの位置をさがす

構えた時のグリップの位置は、考え方によって変わってきます。振り遅れないようにトップまでの時間を出来るだけ短くしたい人は、グリップの位置が高い、トップの位置で構えている人も少なくない。

特に最近はスピードもそうですが、変化球も多彩になり、出来るだけ手元まで球を引き付けて、素早く打ちにいかないとスピードや変化球に間に合わないためトップ位置に構え、そのまま打ちにいく人もいます。

引用元:https://aokatuburogu.com/jibun-bateingu-atta-guripu-iti-sagasu/

  「ホームランは難しくてもヒットは簡単に打てる!バッティング上達方法」からの引用

構えのグリップの位置の正解とは?

ではさっそく構えのグリップの位置の正解について紹介していきます。

あくまで私個人的な意見ですが、私は構えのグリップの位置に正解はないと思っています。

これはグリップの位置は何でもいいというわけではなく、人によって正解は変わってくるという意味です。

バッティングは技術面はもちろん重要ですが、感覚的な部分もものすごく重要になります。

他人にはうまく説明できなかったり、理解されないような自分だけの感覚というものがバッティングでは非常に重要になります。

グリップの位置もそうですがバッティングにおける構えというのはバッティング 構えはものすごく重要!打撃上達方法で詳しく紹介していますが、スイングのスタートであり、いかに自分のスイングに入りやすい構え、グリップの位置で構えるかが重要になります。

この時のどこにグリップを位置させると自分のスイングがしやすいか?自分のスイングに入りやすいか?これは本人の感覚的な部分が強いので、「この位置でグリップを構えろ!」というように強く言えないのが正直なところです。

どんな良いスイングを持っていてもグリップの位置が自分に合っていないというだけでそのスイングが無駄になることもあります。(それが一般的なグリップの位置だとしても)

反対にグリップの位置がめちゃくちゃな位置にある選手でもその位置が本人にとってスイングに入りやすいグリップの位置であれば、自分のスイングをしっかりとすることができます。

要は何が言いたいかというとグリップの位置に正解はなく、自分に合ったグリップの位置を見つけることが重要というこです。

引用元:https://hiok.pink/entry221.html

「元・甲子園球児が教える基本ポイント」からの引用

グリップ

グリップの位置はバットを構えて軸足の肩に乗せた状態から
顔の前に出した位置が基本となります
押し手で傘を差す感じで構えると自然に構えることができます。

一番良い位置は、テイクバック時のトップの位置(打つ瞬間の位置)です。
トップの位置が早くから決まっていれば、その分ボールを判断できるからです。

参考となる選手は元広島カープの前田選手です。

私は彼のバッティング練習を見て度肝を抜かれました!!
テイクバック時にまったくバットが動いていないのです・・・

ただ、ほとんどの人ができないと思うので(私もできませんでした)
早くトップを作れる位置を自分なりに探って
その位置を構えたときのグリップの位置としてください。

引用元:https://batting-koshien.net/entry3.html

 「科学する野球・打撃篇」からの引用

 グリップの位置 で述べたように,「科学する野球」では「なるべく低く構える」,「打ち出しの位置に構える」が正しい構え方とされています

 もう少しはっきりとしたグリップの位置は次のように説明されています.

グリップは,図⑤-(ロ)のように,ピッチャーと前肩とを結んだ線上において構える.この線より前(図⑤-(イ)),この線より後ろ(図⑤-(ハ))に構えるのはよくない.図⑥は線上で構えている.図⑦はグリップをこの線より前に出して構えている.

引用元:科学する野球・ドリル篇,p.122
引用元:科学する野球・ドリル篇,p.122

 以上,「科学する野球」と野球のサイトからグリップの位置について説明されている箇所を引用しましたが,明確な定義はなされていないようです. 

グリップはバットをタメることができる位置に構えなければならない

 グリップの位置をどのように決めればよいかについては,様々な考え方があり,それぞれに理があるかと思いますが,明確に定義づけすると次のようになります. 

 打撃動作においては,ボールを強打することが重要であり,ボールを強打するためにはバットのタメをつくらなければない.つまり,グリップはバットをタメることができる位置に構えなければならない

ということです.

 バットをタメることができるグリップの位置を特定するには,グリップの位置が固定されると仮定した上で,投手に正対(センター方向に打ち返す中心衝突を想定)するまで肩を回したときに,どれだけバットをタメられるのかを確認する作業が必要となります.

投手側と捕手側とでは,どちらがバットをタメることができるのか?

  • Aの位置でグリップを固定したまま肩を回しても,グリップが投手側に近いため,バットを後ろに残すことができず,タメをつくることができない.
  • Bの位置のほうが,グリップが捕手側に近いため,バットを後ろに残してタメをつくりやすい.
  • グリップは投手側よりも捕手側に構えるほうが,バットのタメをつくることができる.

 まず,「グリップは投手側よりも捕手側に構えたほうがよい」ということがわかります.

捕手側に近いほど,バットのタメは大きくなるのか?

  • Cのグリップの位置が最も捕手側に近いが,ワキが空いてしまうため,バットを後ろに残すことができず,タメをつくることができない.
  • Bのグリップはすぐにワキを締められる位置にあるので,グリップを固定したまま肩を回せば,バットを後ろに残してタメをつくることができる.
  • グリップは,捕手側に近ければよいというわけではなく,すぐにワキを締められる位置に構えなければならない.

 ここまでで,「グリップは,すぐにワキを締められる位置に構えなければならない」ということがわかります.

正面側と背面側とでは,どちらがバットをタメることができるのか?

  • Aのグリップの位置では,グリップが体から離れてバットを体に巻き付けることができないので,バットを後ろに残してタメをつくることができない.
  • BよりもCのグリップのほうが,より背面側にあるので,肩を回してもバットを体に巻き付けて,Bよりもバットを後ろに残してタメをつくることができる.

 つまり,「グリップは,すぐにワキを締められる状態で,なるべく背面側に構えなければならない」ということがわかります.

ワキを締められる状態で,背面側に構えるにはどうすればよいか?

  • すぐにワキを締められるBのグリップのまま肩を回せば,Cのグリップの位置を実現できる.
  • Cのグリップの位置では,「すぐにワキを締められる」と「なるべく背面側に構える」の両方の条件を満たすことができる.
  • Cのグリップの位置をなるべく固定したまま,投手に正対するまで肩を回すと,バットをできるだけ後ろに残してタメをつくることが可能になる.

 以上のことから,「グリップをすぐにワキを締められる位置に固定しまま,背面側に肩を回して構えなければならない」ということがわかります.

肩を回して,グリップの位置を背面側に固定するケン・グリフィー・ジュニア選手
この角度からでも背番号24の4を確認できるほど肩を回している.
Griffey Jr.’s tape-measure SkyDome blast
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=WtQ9M2YD_DI
前腕を曲げて構えるケン・グリフィー・ジュニア選手
右腕の肘が曲がっているので,グリップが捕手側に離れていない.また,グリップが体に近いことから,すぐにワキを締められる体勢で構えていることがわかる.
引用元:https://www.britannica.com/facts/Ken-Griffey-Jr

グリップが前に出るのを防ぐ方法

 構えのときに,グリップをすぐにワキを締められる状態にして,なるべく背面側に固定しなければならないことを説明しました.背面側に固定したまま肩を回すと,バットを後ろに残すことができます.

 グリップについてはもう一つ重要なことがあります.それは,グリップが前に出てこないようにすることです.バックスイングから肩を回していくときにグリップが前に出てくると,バットを後ろに残すことができずタメをつくることができません.

ワキが締まるとグリップが前に出るのを防ぐことができる

 結論からいうと,ワキが締まっていれば,グリップが前に出るのを防ぎ,バットを後ろにタメることができます.

肩を回してもバットを後ろにタメているジョー・ディマジオ選手
引用元:科学する野球・打撃篇

 ワキが締まるとなぜディマジオ選手のようにバットを後ろに残せるかというと,ワキが締まることで後ろ腕の上腕(肩から肘までの部分)が体に密着し,グリップの前方移動にブレーキをかけることができるからです.

 そのため,肩を回してもグリップの位置を固定することができます.もちろんワキが締まるためには,構えでグリップの位置を体に近づけておく(すぐにワキを締められる状態にしておく)ことが前提となります.

ワキが締まることで得られる3つの利点

①ワキが締まるとグリップの前方移動にブレーキがかかる

 一度試してもらいたいのですが,ワキを空けたまま肩を回してバットを後ろに残そうとしてみてください.肩を回しきらないうちにグリップが前方に動いてしまい,バットを後ろに残すことが難しくなります.

 ワキが締まると上腕が体に密着して,グリップが前方に移動するのを阻止することができるので,バットを後ろに残すことができます.

 打撃動作においては,肩を回してもバットをタメておくことが重要になります.バットのタメがないと,スイングする距離を確保できず,バットを速く振ることができません.

 バットのタメとは,肩を回してもバットが後ろに残っていることをいいます.グリップが体から離れるほどバットをタメることができなくなるので,注意が必要です.

ブライス・ハーパー選手
ボールが目の前に見えているが,この時点でもバットが後ろにタメられている.
ワキが締まり,グリップが前方に出ていない.
引用元:Bryce Harper Home Run Swing Slow Motion 2019-1(#8) https://www.youtube.com/watch?v=Mj02QN4g7W4

 ブライス・ハーパー選手はワキが締まっているので,肩を回してもグリップが前に出てこず,バットを後ろに残してタメをつくることができています.

②ワキが締まると体にバットを巻きつけることができる

 ワキが締まった状態ではグリップが体に近いので,バットを体に巻きつけるようにして後方に残すことが可能ですが,グリップが体から離れるとバットを体に巻きつけられなくなり,その分バットが前方に出てきていまいます.

 体にバットを巻き付けると,慣性モーメント が小さくなるので,スイングスピードを速くすることができます.

 鈴木誠也選手の打撃動作を見ると,慣性モーメントが大きくなっていることがわかります

2022.9.6 鈴木誠也選手 11号ホームラン 
引用元:ベースボール・サバント

 鈴木選手の構えは典型的な日本人打者の構えで,グリップを体から離すのが特徴です.そしてバックスイングでグリップを捕手側に引きます.背面側には引きません.

 この構えとバックスイングでは,グリップが体から離れるので,慣性モーメントが小さくなる要素が見つかりません.

引用元:ベースボール・サバント FF=4シーム,球速92.6mph,打球速度99mph,飛距離375feet

 コースはど真ん中ですが,インパクトでワキが少し空いています.脇が空くとバットのタメが不十分になり,スイングスピードも落ちてしまいます.

 NPBではパワーを誇っていた鈴木選手ですが,MLBの球威のあるボールには力負けするので,ボールが飛ばないということになります.

 鈴木誠也選手の打撃動作については,韓国,台湾に大敗したU-18日本代表-パワー不足の原因は「日本の野球界の体質」 で詳しく解説しています.

③ワキが締まるとインパクト後,ボールを強く押し込むことができる

 ボールを強打するためには,インパクト後,両腕を伸ばしてボールを打ち返す方向に力を伝えなければなりませんが,グリップが体に近い状態とグリップが体から離れた状態では,どちらが両腕を力強く伸ばせるでしょうか? 

 当然,グリップが体に近いほうが両腕を力強く伸ばせます.つまり,ワキが締まっているほうがインパクト後,最もボールを強打できるということです.逆をいえばワキが空くほどボールを強打できなくなります.

ブライス・ハーパー選手
ワキが締まりグリップが体に近くなるため,インパクト後,両腕を力強く伸ばしてボールを強打できる.
引用元:Bryce Harper Slow Motion Home Run Swing – 6/30/21 vs Marlins https://www.youtube.com/watch?v=Dgt4Su139tg

外角球の打ち方でわかるハーパー選手と筒香選手の差

外角球をセンター方向(左中間寄り)にホームランを打つブライス・ハーパー選手
引用元:ベースボール・サバントhttps://baseballsavant.mlb.com/sporty-videos?playId=7b2143fe-07c0-4b19-b9d5-d280ffb6f18e
外角球を左中間方向にレフトフライを打つ筒香嘉智選手
引用元:ベースボール・サバントhttps://baseballsavant.mlb.com/sporty-videos?playId=c6a4318c-3bd5-46ee-86ab-0c9407f0f5cd

 外角球の場合,ミートポイントが遠くなり,ワキが空きやすくなる傾向があります.

 同じ外角球でも筒香選手は肩が回っておらず,ワキが空いたままインパクとしていますが,ハーパー選手はワキを締めて肩も回っています.ワキを締めて肩を回しているということは,バットのタメができているということです.

 筒香選手はワキが空いているため,肩が回りきらないうちにグリップが前方に出てしまい,手打ちになっています.

門田博光選手のグリップの位置を確認する

門田選手とグリフィー選手の構えの共通点

 身長170㎝でNPB歴代3位の567本の本塁打を記録した門田博光選手.40歳にして打率.311、44本塁打、125打点で本塁打王、打点王の二冠を達成.ホームランバッターのグリップの位置を確認します.

大谷選手とは対照的に構えでグリップを体に密着させる門田博光選手
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=aKFX1smL7pg
大谷翔平 再掲

 インサイド・アウトにスイングするためには(アウトサイド・インのスイングを防ぐためには),グリップの位置を体に近づけておかねばなりませんが,ホームランバッターの門田選手にもこの特徴がみられます.

ケン・グリフィー・ジュニア選手と同様に肩を回して,グリップを体に密着させ,肩越しに投手を見る門田博光選手
再掲
ケン・グリフィー・ジュニア 再掲

 また,門田選手はグリフィー選手と同様に,あらかじめ構えで体幹を捕手側に捻って,グリップの位置が体から離れないようにしています.大谷選手は,逆にグリップの位置を体から離して構え,バックスイングで肩を回しますが,グリップと体は離れたままです.

 グリップの位置 を体に密着させフック・グリップで構えると,ワキが締まり,肩を回してもバットを後ろに残すことができるため,右方向,センター方向,左方向すべてにスイングのタメをつくって打つことが可能になります.

 NPBではグリップを体から離す打者ばかりで,門田選手のようにグリップを体に密着させる打者はなかなか見られません.打つときにグリップを体に近づけるから問題ないという人がいるかもしれませんが,MLBの打者から見ればムダな動作になるので,最初から体に近づけておくほうが無難です.

大谷選手の打撃動作にみられる重大な欠点

2020年8月10日 投稿

ジョー・マドン監督は首をひねるばかり

 この記事は2020年に右肘付近の屈筋回内筋痛の診断を受け,打者専念が決まって以降の大谷選手の不振について書かれたものです.

 エンゼルスの大谷翔平投手(26)が8日(日本時間9日)、敵地でのレンジャーズ戦に「4番・DH」で出場し4打数無安打に終わり、2三振を喫した.「右肘付近の屈筋回内筋痛」の診断を受け,今季の打者専念が決まって初めて出場した6日の第1打席に左越えソロを放って以降,11打席連続無安打.打率は.132と、快音が続かずに苦しんでいる。

 予言が当たらなかったからではないだろう。ジョー・マドン監督は、首をひねるばかりだった。「球場が変わって球の見え方が違うのか何なのか分からない…」。大谷が今季オープンしたレンジャーズの本拠グローブライフ・フィールドで2試合無安打、5三振。シアトルでのマリナーズ戦で豪快アーチを放った2日前に「(大爆発の)寸前にいる」と言った指揮官の笑顔は、すっかり消えていた。

 大谷はレ軍の先発アラードに2打席連続三振を喫すると、右投手に代わった3打席目以降も一ゴロ、右飛に倒れた。左腕アラードに対しては右足を半足分オープンにするスタンスで臨む工夫を試みたが実らず、今季は左投手に10打数無安打。ボールを見逃す際に後ずさりするなど、かかとに重心がかかり右腰と右肩の開きが早いのを修正できなかった。

 打者専念の気負いも見えた。6日の一発以降「ヒールアップ」と呼ばれる右足のかかとを上げるひねりが、打席ごとに大きく強くなった。ひねった分を戻すための動きが速くなり、右膝、右腰が早く開く。この日、10スイングで空振り6度。精度の低下は明らかだ。

 レンドンが打率・111、プホルスも打率・186と中軸が振るわず、開幕15試合で5勝10敗。13年以来で、球団史上5番目に悪い滑り出しとなった。「左中間目がけて打つ、いつもの打撃が戻れば」とマドン監督。浮上に欠かせない大谷の復調を期待した。(アーリントン・奥田 秀樹通信員)

引用元:https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2020/08/10/kiji/20200809s00001007452000c.html

 記事の中で不振の原因について言及がありますが,大谷選手の構えで最も目立つのはグリップの位置です.グリップの位置を離すのは日本人打者の特徴ですが,大谷選手はグリップの位置が体から離れすぎています.

ケン・グリフィー・ジュニア
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=WtQ9M2YD_DI

 大谷選手は「インパクト後,後ろ腕(非利き腕)でボールを押し込めない」という 右投げ左打ちの欠点 を持っており,その欠点をカバーするためにゴルフスイングを行っています.ゴルフスイングでは肩を回さずに打つので,肩が回らないように故意にグリップを体から離していると考えられますが,通常の打法ではデメリットにしかなりません.

大谷選手の不振はグリップの位置によって引き起こされている

 大谷選手の不振について, マドン監督は理由がわからないと困惑しているようですが,原因は大谷選手の構えにあります.グリフィー選手がグリップを体に密着させているのに対して,大谷選手は体から離しています.このグリップを体から離していることが不振の一因です.

ケン・グリフィー・ジュニア
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=WtQ9M2YD_DI

 ステップする動作に入るまでに,グリフィー選手は左肘をさらに背面後方に突き出していますが,大谷選手は左肘を体に引き寄せることはせず,ただ体幹を回旋している(肩を回している)だけです.

 グリフィー選手はグリップの位置を背面後方に確保して,前方に出ないようにしているため,右方向 ,左方向 どちらにもインサイドアウトでスイングすることができます

 大谷選手はスイングに入るときにグリップが体に近づいているように見えますが,体からグリップまでの距離は構えのときと同じなので,捕手側にグリップが離れていることになります.

 この状態でインサイドアウトに打とうとすれば,マドン監督 が指摘するようにセンター方向から左方向には打てますが,右方向に引っ張ろうとするとアウトサイド・インのスイングとなり,手打ちの傾向が強くなるため,ボールを強く打つことができません.

 グリップの位置だけとっても,グリフィー選手と大谷選手ではかなりのレベルの差があるのが現状です.NPBの選手にはグリップの位置を体から離す選手が多く,おそらく打つ前に体に引き寄せることでタイミングを取っていると思われますが,球速の速い投手に対応するためには,前もってグリップの位置を体に密着させておくほうが無難と思われます.

 この記事は大谷選手が右投げ左打ちの打者であることを考慮しない内容となっています.「作られた左打者」はインパクト後,後ろ腕でボールを押し込むことができないため,独自の打法を編み出すケースが多くなります.

 大谷選手も例に漏れず,ゴルフ打法という変則的な打法で打っていますが,ゴルフ打法ではバットは遅らせた方がよいので,故意にグリップを体から離していると考えられます.

 詳しくは,右投げ左打ちから見えてくる大谷選手のバッティングの真実 をご覧ください.

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