4月24日現在,打率.170,本塁打0,打点5と極度の不振に陥り,マイナー降格も危惧されている筒香選手の不振の原因を探ります.以前,筒香選手はメジャーで活躍できるか という記事を投稿していますが,分析内容が不十分であったため,再度,筒香選手が打てない理由(①~④)についてまとめます.
①グリップの位置が体から離れる

引用元:【MLB】筒香嘉智 2020年シーズン全安打集【SPOZONE】
https://www.youtube.com/watch?v=LhJbAO0IBuM&t=288s
筒香選手はグリップを体から離して構えるのが特徴です.構えでグリップが離れていても,落合博満選手のようにスイングに入るまでにグリップを体に密着させるとよいのですが,バックスイングに入っても筒香選手はグリップの位置を動かさないので,打ち出しのグリップの位置は構えとほぼ変わりません.このように体からグリップを離すとワキが空くため,肩が回らずバットのタメがないままスイングすることになります.
大谷選手のようにグリップが大きく離れる場合は,右方向へ打つとアウトサイド・インのスイングになりやすいため,左方向へ打つほうがボールを強打できる傾向がありますが,筒香選手は大谷選手ほどグリップは離れないため左方向へ打つほうがワキが空く程度が大きくなり,ボールを強打できなくなります.大谷選手のような明らかなゴルフスイングになっているわけではありませんが,グリップを体から離して打つこと自体が打てない理由の一つになります.


打球方向別の打率 2020 | |||
---|---|---|---|
左方向 | センター方向 | 右方向 | |
対右投手 | .250(24打数6安打) | .171(35打数6安打) | .370(27打数10安打) |
対左投手 | .250(8打数2安打) | .600(5打数2安打) | .500(8打数4安打) |
※引用元:ベースボール・サバント 右方向へ引っ張る方がボールを強打できる傾向がある. |
打球方向別の打率 2021 4/24まで(打数が少ないため参考程度) | |||
---|---|---|---|
左方向 | センター方向 | 右方向 | |
対右投手 | .222(9打数2安打) | .308(13打数4安打) | .143(7打数1安打) |
対左投手 | 1.000(2打数2安打) | .000(1打数0安打) | .000(2打数0安打) |
※引用元:ベースボール・サバント |
②低めのコースしか打てない

「人」の形で打つ二次エネルギーは利用していない.
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=yDmB7hcNd1U
筒香選手は前脚を突っ張らせて,ステップによる前方移動にブレーキをかけ,体幹,上肢へ運動エネルギーを流してスイングスピードを加速しています.MLBの一流打者は,ステップによる前方移動の一次エネルギーと,前足着地後に前脚膝関節を伸展して下肢のエネルギーを股関節を介して体幹,上肢に流す二次エネルギーの両方を利用して打っていますが,筒香選手は二次エネルギーを利用する 「人」の形で打つ ことはせず,一次エネルギーのみを利用する特殊な打ち方を行っています.
この前脚を突っ張らせる打ち方では,高めのコースよりも低めのコースが打ちやすくなります.打てるコースが限定されると好成績は望めません.

※対右投手では低めのコースの打率が高いことが確認できる.対左投手は打席数が少ないため参考程度.
引用元:ベースボール・サバント

※2021 4/24までの打率 打席数が少ないため参考程度.
引用元:ベースボール・サバント