「科学する野球」ワキは締めるのではなく,空手打ちで締まる-フック・グリップの重要性

フック・グリップで構えるとワキが締まる

 このように,脇が空いてはいけないといって,バッティングのはじめから終わりまで脇を締めさせると,手や腕は自由に使えないし,肩にも力が入ってしまい,バッティングになりません.
 ところが,図127,128のように,インパクトで両脇が締まるのは,トップハンド側の手と腕は外捻し,ボトムハンド側の手と腕は内捻しているからなのです.このようにインパクトで両脇が締まると,手や腕はボディとワン・ピース(一体化)となり,インパクトでの衝撃をはねかえして強打することができます.意識して両脇をことさらに締めてみると,肩に力が入り,手や腕の力が分散して強打することができません. 

引用元:科学する野球・実践篇
引用元:科学する野球・実践篇

 そこで,脇は締めるのではなく,締まるのでなければならないのだが,それには構えのときのバットの握り方が重要で,この点からも,バットを雨傘をさすような感じで握ってはならないのです.インパクトで両脇が締まるのは, 図127,128のように 空手で打っているからで,そのためにはバットをフック・グリップ(写真80)で握らなければならないのです.

引用元:科学する野球・実践篇

フック・グリップの握り方

引用元:科学する野球・実践篇

 そして,グリップの位置は,できるだけバットの発射位置に近く構えることの他に,図129のように前方とピッチャーとを結んだ線上になければなりません.この線より前の位置で構えていると,フォワードスイングで肩を回すときにグリップが投球線の方に出て,アウトサイド・インに振るようになります.

引用元:科学する野球・実践篇
引用元:科学する野球・実践篇

 村上氏は「脇は締めるのではなく,締まるものである」と述べられています.脇を締めるには,フック・グリップ[トップハンドを手の平の方に曲げ(掌屈),ボトムハンドを手の甲の方に曲げる(背屈) ] にしておく必要があり, フック・グリップ で構えると後ろ肘が横に張り出してフライング・エルボーになります.構えの最初から脇を締めるのではなく,フライング・エルボーから脇が締まるということです.ただし,グリップの位置が体から離れると,脇が空くため脇を締めることが不十分となり,グリップの位置が前方になるためアウトサイド・インのスイングになります.