筒香選手は「150キロ超の速球」を打てないのか?

150キロ超のボールを苦手としていることは周知の事実

検証:筒香嘉智は本当に「150キロ超の速球」を打てないのか? “MLB平均”の速球を捉えたのは…

 日本時代から筒香は「150キロ以上の速球が打てない」と言われてきた。実際、44本塁打&110打点で二冠王を獲得した2016年、筒香の150キロ以上の打率は1割台前半だったとのデータがある。もっとも、これは逆に言えば、その球速帯よりも遅ければ対応できているとも言えるわけで、150キロ以下の速球、さまざまな変化球への柔軟な対応力が、筒香の強みとも言い換えられるかもしれない。

 昨年、日本プロ野球の先発投手のストレートの平均球速は143.2キロ、救援投手は145.6キロだった。一方でMLBでは、それぞれ150.0キロ(93.2マイル)、151.6キロ(94.2マイル)と、俗に言う大台を平均で計測している。やはり、と言うべきか、今季筒香が「メジャーの平均速球」に苦戦しているのは、ここまでの全安打の内訳からも見えてくる。

【筒香の全安打内訳】※先頭()内の数字が安打数
(1)本塁打/4シーム/89マイル(143.2キロ)
(2)単打/カーブ/74.9マイル(120.5キロ)
(3)単打/カーブ/81.1マイル(130.5キロ)
(4)単打/スライダー/81.6マイル(131.3キロ)
(5)単打/4シーム/92.2マイル(148.4キロ)
(6)二塁打/スプリッター/87.8マイル(141.3キロ)
(7)単打/シンカー/90.2マイル(145.2キロ)
(8)本塁打/カッター/88.3マイル(142.1キロ)
(9)単打/スライダー/80.3マイル(129.2キロ)
(10)単打/カッター/90.9マイル(146.3キロ)
(11)本塁打/スプリッター/87マイル(140.0キロ)
(12)二塁打/4シーム/94.4マイル(151.9キロ)
(13)本塁打/4シーム/90.6マイル(145.8キロ)  

 安打の内訳を見ると、さまざまな球種からヒットを放つなど筒香らしい対応力を見せている反面、“150キロ超”の速球から快音を飛ばしたのは12安打目(8月16日のブルージェイズ戦)が唯一。デビュー戦で昨年のナ・リーグ最優秀防御率を獲得したリュ・ヒョンジンからメジャー初安打を本塁打で飾ったが、この時も打ったのは143キロの速球と、得意なボリュームゾーンだった。  
 そして24日の試合で今季4号を放った際、敵地放送局の解説者は「ツツゴウは速球に上手く対応できていません。(今回は)4シームを捉えましたが、(先発投手のタナー・)ロアークには、ツツゴウが問題を抱えている球速がありませんからね」と冷静な分析をしていた。相手のTVクルーにすらも、メジャー1年目の筒香が150キロ超のボールを苦手としていることが周知の事実となっているようである。

引用元:Yahoo! JAPAN
引用元:ベースボール・サバント

足を上げると速いボールへの対応が難しくなる

 デグロム投手の100mphのストレートに空振り三振する動画をみると,筒香選手のように足を上げてタイミングをとる打者は,速いボールに振り遅れてしまうことが考えられます.足を上げると,①速いボールに対応が遅れる,②重心が上下動し視線がブレるため,ボールを捉えにくくなる,といった欠点を伴いやすくなります.

 ホームランバッターのステップを確認すると,バリー・ボンズ, ハンク・アーロン選手は,ほとんど足を上げておらず,ケン・グリフィー・ジュニア選手は少し上げている程度です.大谷選手もMLB1年目にオープン戦で速球に対応できなかったことから,シーズンに入ると足を上げない打法に修正しています.MLBでは,大半の選手がほぼ足を上げずにステップしています.ノーステップ打法ということがいわれますが,実際はステップしているので,ノーステップではありません.

 MLBでも足を高く上げる選手はいますが,ほとんどの選手が足を上げる時間と下ろす時間がほぼ同じで,足を上げたらすぐ下ろしてステップする動作になっています.ところが,筒香選手の場合は,足を上げた後,少しタメをつくり,それから下ろしてステップしています.タメをつくるところで速球に差し込まれやすくなっています.

 筒香選手は,ステップ足着地後にブレーキをかけること(第一動作)によって,ステップによる前方移動の運動エネルギーをスイングスピードに変換する方法をとっています.運動エネルギー(1/2mv2)を大きくするには,ステップする速度も大きくする必要があるため,大谷選手のように足を上げずにステップする打ち方に変えることは,まずできないはずです.したがって,筒香選手は,今後も速球に対応することが難しい状況が続くことになり,目立った活躍をすることはできないと考えられます.