右対右-外角低めに投げるのは常套手段
2021年1月12日 投稿
MLBで右対右の場合の投球パターンを全球種,速球系,スロー系,変化系に分けてまとめます.2018年から2020年までのデータを使います.
全球種

全球種では,投球数の28.4%が外角低めのボールゾーンに集中しています.外角低めのストライクゾーン7.1%と合わせると35.5%が外角低めに投げられています.右対右の場合,外角低めに投げるのが常套手段になっているということです.実際に外角低めのコースを打者は打てていません.
速球系(Fastballs:4シーム,2シーム,カッター,シンカー)

速球系では,四隅のボールゾーンの投球割合が大きく,その中でも外角低めと内角高めの投球割合が大きくなります.ストライクゾーンとボールゾーンを合わせると,外角低めが23.2%,内角高めが17.5%になっています.実際に外角低めと内角高めは打たれていません.
スロー系(Offspeed:SFF,チェンジアップ,フォークボール,スクリューボール)

スロー系では,SFF(スプリットフィンガー・ファストボール)などの落ちるボールが主となるため,低めにボールが集中しています.低めのボール球の割合が大きく,高めに浮くと真ん中,内角寄りのコースが打たれています.
変化系(Breaking:スライダー,カーブ,ナックルカーブ,スローカーブ,ナックル,スローボール )

変化系では,スライダー,カーブという外に逃げる球種が主となるため,投球数のほぼ半数が外角低めに投げられています.外角低めのストライクゾーンが9.0%,ボールゾーンが45.1%ですから,合わせて54.1%が外角低めのコースに集中しています.外角低めにストライクゾーンから外れるボールを投げるのが定番の攻め方になります.
当然と言えば当然ですが,左対左の分析と同様の結果となりました.速球系は外角低めと内角高めに,スロー系は落ちるボールを低めのボールゾーンに,変化系はストライクゾーンから外れるスライダー,カーブを外角低めに投げるのが定番の攻め方になります.打者によって攻め方が変わる部分はありますが,左対左と同様に右対右の投手の攻め方はMLBでもNPBでも大差ないと思われます.
MLBの投手の攻め方-右対右
速球系(Fastballs:4シーム,2シーム,カッター,シンカー)
- 四隅のボールゾーンの投球割合が大きく,その中でも外角低めと内角高めの投球割合が大きい
- ストライクゾーンとボールゾーンを合わせると,外角低めが23.2%(6.0%,17.2%),内角高めが17.5%(4.6%,12.9%)になっている
- 被打率は,外角低め(.237,.170),内角高め(.250,.176)となっている
スロー系(Offspeed:SFF,チェンジアップ,フォークボール,スクリューボール)
- 落ちるボール(SFFなど)が主となるため,71.5%(22.1%,49.4%)が低めに集中する
- 高めに浮くと,真ん中高め(.298),真ん中(.338),内角真ん中(.339)の被打率が高くなる
変化系(Breaking:スライダー,カーブ,ナックルカーブ,スローカーブ,ナックル,スローボール )
- 外角低めにストライクゾーンから外れるボール(スライダー,カーブ)を投げるのが定番の攻め方
- 投球数の54.1%(9.0%,45.1%)が外角低めに投げられる
- 被打率は,外角低め(.231,.102)となっている
※( , )=(ストライクゾーン,ボールゾーン)
※SFF(スプリットフィンガー・ファストボール)
打者によって攻め方が変わる部分はありますが,右対右の投手の攻め方はMLBでもNPBでも大差ないと思われます.
左対左-外角低めに投げるのは右対右と同じ
2021年1月6日 投稿
MLBで左対左の場合の投球パターンを全球種,速球系,スロー系,変化系に分けてまとめます.2018年から2020年までのデータを使います.
全球種

全球種では,投球数の26.5%が外角低めのボールゾーンに集中しています.大谷選手だから外角低めに投げていたというわけではなく,筒香選手も秋山選手も含めて左対左の場合,外角低めに投げるのが常套手段になっているということです.実際に外角低めのコースを打者は打てていません.
速球系(Fastballs:4シーム,2シーム,カッター,シンカー)

速球系では,四隅のボールゾーンの投球割合が大きくなっています.外角低めのストライクゾーン6.4%と合わせると,23.9%が外角低めに投げられています.
スロー系(Offspeed:SFF,チェンジアップ,フォークボール,スクリューボール)

スロー系では,SFF(スプリットフィンガー・ファストボール)などの落ちるボールが主となるため,低めにボールが集中しています.低めのボール球の割合が大きく,高めに浮くと真ん中,内角寄りのコースが打たれています.
変化系(Breaking:スライダー,カーブ,ナックルカーブ,スローカーブ,ナックル,スローボール )

変化系では,スライダー,カーブという外に逃げる球種が主となるため,投球数のほぼ半数が外角低めに投げられています.外角低めのストライクゾーンが8.8%,ボールゾーンが43.0%ですから,合わせて51.8%が外角低めのコースに集中しています.外角低めにストライクゾーンから外れるボールを投げるのが定番の攻め方になります.
MLBの投手の攻め方-左対左
速球系(Fastballs:4シーム,2シーム,カッター,シンカー)
- 四隅のボールゾーンの投球割合が大きく,その中でも外角低めと内角高めの投球割合が大きい
- ストライクゾーンとボールゾーンを合わせると,外角低めが23.2%(6.4%,17.5%),内角高めが17.5%(4.6%,11.3%)になっている
- 被打率は,外角低め(.211,.185),内角高め(.268,.150)となっている
スロー系(Offspeed:SFF,チェンジアップ,フォークボール,スクリューボール)
- 落ちるボール(SFFなど)が主となるため,67.9%(21.6%,46.3%)が低めに集中する
- 高めに浮くと,真ん中高め(.353),真ん中(.367),内角高め(.299),内角真ん中(.304)の被打率が高くなる
変化系(Breaking:スライダー,カーブ,ナックルカーブ,スローカーブ,ナックル,スローボール )
- 外角低めにストライクゾーンから外れるボール(スライダー,カーブ)を投げるのが定番の攻め方
- 投球数の51.8%(8.8%,43.0%)が外角低めに投げられる
- 被打率は,外角低め(.223,.104)となっている
※( , )=(ストライクゾーン,ボールゾーン)
※SFF(スプリットフィンガー・ファストボール)
当然と言えば当然ですが,右対右の分析と同様の結果となりました.速球系は外角低めと内角高めに,スロー系は落ちるボールを低めのボールゾーンに,変化系はストライクゾーンから外れるスライダー,カーブを外角低めに投げるのが定番の攻め方になります.
打者によって攻め方が変わる部分はありますが,右対右と同様に左対左の投手の攻め方はMLBでもNPBでも大差ないと思われます.