日本シリーズ4連覇での外国人選手の成績
2017-2020 日本シリーズ 投手成績 外国人選手 | ||||
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年度 | チーム | 打者 | 安打 | 失点 |
2020 | ソフトバンク | 36 | 0 | 0 |
巨人 | 40 | 7 | 3 | |
2019 | ソフトバンク | 34 | 7 | 4 |
巨人 | 30 | 4 | 1 | |
2018 | ソフトバンク | 77 | 20 | 9 |
巨人 | 94 | 11 | 5 | |
2017 | ソフトバンク | 57 | 8 | 5 |
巨人 | 58 | 11 | 4 | |
引用元:https://npb.jp/ |
ソフトバンクの投手の成績については,2020年は0安打に抑えていますが,他の年度は相手チームのほうが失点が少なくなっています.各年度の対戦打者数はそれほど離れていないので,2017~2019年についてはソフトバンクの外国人投手が特に優れているとはいえません.
2017-2020 日本シリーズ 打者成績 外国人選手 | ||||
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年度 | チーム | 打数 | 安打 | 打点 |
2020 | ソフトバンク | 27 | 7 | 9 |
巨人 | 13 | 2 | 3 | |
2019 | ソフトバンク | 28 | 9 | 9 |
巨人 | 12 | 4 | 0 | |
2018 | ソフトバンク | 32 | 9 | 7 |
巨人 | 9 | 2 | 0 | |
2017 | ソフトバンク | 23 | 5 | 4 |
巨人 | 24 | 7 | 3 | |
引用元:https://npb.jp/ ※投手は除く |
一方,外国人選手の打撃成績ではソフトバンクのほうが頭一つ抜けています.打数の違いは外国人選手の人数が異なるためです.相手チームの外国人選手は各年度1人(2020ウィーラー,2019ゲレーロ,2018バティスタ,2017ロペス)で,ソフトバンクは2017年はデスパイネのみ,2018~2020年はデスパイネとグラシアルの2人となっています.
日本シリーズ4連覇での打点内訳
日本シリーズ4連覇 ソフトバンク 打点内訳 | |||||
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選手 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 合計 |
デスパイネ | 4 | 6 | 3 | 6 | 19 |
柳田悠岐 | 4 | 4 | 3 | 3 | 14 |
中村晃 | 4 | 3 | 1 | 4 | 12 |
グラシアル | 1 | 6 | 3 | 10 | |
松田宣浩 | 1 | 1 | 3 | 5 | |
甲斐拓也 | 1 | 3 | 4 | ||
長谷川勇也 | 2 | 1 | 1 | 4 | |
栗原陵矢 | 4 | 4 | |||
今宮健太 | 2 | 1 | 3 | ||
内川聖一 | 3 | 3 | |||
髙谷裕亮 | 2 | 1 | 3 | ||
福田秀平 | 3 | 3 | |||
川島慶三 | 2 | 2 | |||
上林誠知 | 2 | ||||
牧原大成 | 2 | 2 | |||
明石健志 | 1 | 1 | |||
西田哲朗 | 1 | 1 | |||
合計 | 25 | 22 | 22 | 23 | 92 |
引用元:https://npb.jp/ |
表をみると,デスパイネとグラシアルの打点が突出していることがわかります.チームの強さは「科学する野球」でいうところの合理的な動作ができている選手がどれだけいるかにかかわってきます.デスパイネ,グラシアル両選手ともMLBの経験はありませんが,MLBで通用しなかった外国人選手でもNPBの選手よりも合理的な動作を身につけていることが一般的です.この2人の外国人選手がソフトバンクの強さに貢献していることは間違いありません.
スカウティングの能力の高さが強さの秘密
日本シリーズ4連覇を果たしたソフトバンクは,千賀、甲斐、牧原、石川、周東といった育成出身の選手が日本一の原動力となったこともあり,その強さの秘密について論じられることが多くなっています.
ダルビッシュ投手と多村氏が指摘するフィジカルの強さは,いくら体づくりがおこなわれても,合理的な動作を身につけなければ技術は向上しないので,筋力トレーニングと栄養管理のみで強くなるということはまず考えられません.また,選手の育成についても,約60億円を投じた施設を完成させ,3軍制を敷くなど球団独自のシステムを構築しているようですが,どんなにすばらしい環境を整えても,合理的な動作を身につけなければ技術は向上しないという点は同じです.
そうなると,詰まるところ,活躍できる外国人選手を見極める能力,磨けば光る原石を見極める能力という点に帰着します.スカウティング能力の差が球団格差を生んでいると考えられます.